遠い昔の事 その3

大役を任されたのと初めての海外ということもあり、その時の事はほぼ記憶にはないが大きなワゴン車に大人が6,7人乗っていたと思う。
空港に行くまでの車内は日本語とハングルでまくし立てる様に話す声が2,3ヵ所から聞こえその声がどんどん大きくなっていった。
わたしと母はほぼ何もせず空港についても、その6,7人の大人たちが手際よく動いてくれすんなりと搭乗の手続きがすんだ。
飛行機に乗る前に母がトイレに、
そのタイミングで父の友人が
わたしちゃん、さっきの話は本当に大事なことやから頼むで
そう、さっきの話とは
わたしちゃんのお父さんの彼女と会って話してくれ
ということだ。
明確に何をどうしてとかはなく、会って話してくれとは…
そうこうしているうちにもう飛行機に乗る時間がきた。
搭乗口前で父の友人が“これ持っていき”と
韓国の紙幣と硬貨を握らせてくれた。
それをポケットに入れ深く一礼をし飛行機に乗り込んだ。
お隣の国とはよく言うが、飛行機に乗って2時間も経たないうちに
仁川空港に着き入国管理の列に並んでいると職員の方が来て
こちらにと案内されそこでパスポートと書類を渡した。
即座に通され空港から出た時に辺りを見渡しているわたしと母に
○○さんですか?”と30代前半くらいの女性が声をかけてきた。
えっ、このタイミングでまさか…

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